「金利のある世界がやってきた」
最近、ニュースでよく聞きますよね。でも正直、こう思いませんか。
「で、それってわが家に何が起きるの?」
わかります。私もそうでした。
私を含めて、今の40代・50代の多くは、大人になってからずっと”金利がほぼゼロの世界”で生きてきました。
銀行にお金を預けても、利息なんてスズメの涙。
「金利で生活が変わる」なんて、ピンとこないまま来た人がほとんどだと思います。でも、その空気がここ2年ほどで変わってきました。
今日は、むずかしい言葉をぜんぶ日常の言葉に置きかえて、「金利が上がると、わが家に何が起きるのか」をお話しします。
お茶でも飲みながら、気楽に読んでくださいね。
この記事でわかること
- 金利=お金の「レンタル料」。上がると誰が得して誰が大変か
- 株・NISA・預金・国債への影響と、慌てなくていい理由
- 「守りのお金」と「増やすお金」の分け方
- 住宅ローンを組んでいない、わが家の考え方
そもそも「金利」って何?|お金のレンタル料です
まず、金利をひとことで言うと、お金を借りるときの”レンタル料”です。
自転車を借りると料金がかかりますよね。お金も同じで、借りると「レンタル料」を払います。
それが金利です。
- お金を借りる人は、レンタル料(金利)を払う
- お金を貸す人・預ける人は、レンタル料(利息)をもらえる
銀行にお金を預けると少し利息がつくのは、あなたが銀行にお金を”貸してあげている”からなんです。
そして「金利が上がる」というのは、このレンタル料が高くなるということ。
借りる人は払う額が増え、預ける人はもらえる額が増えます。
なぜ今、金利が上がっているの?
ざっくり言うと、モノの値段(物価)が上がってきたからです。
日本は長いあいだ、モノの値段があまり上がらない時代が続いていました。
でも最近は、スーパーでもガソリンスタンドでも「また値上げ?」と感じることが増えましたよね。モノの値段が上がる時期は、お金のレンタル料(金利)も一緒に上がりやすいんです。
この流れを受けて、日本銀行(日本の金利の”元栓”を握っている銀行です)も、2024年に「金利をほぼゼロに抑え込む政策」をやめました。
それ以来、少しずつ金利を引き上げています。ニュースで「日銀が利上げ」と聞いたら、「お金のレンタル料の元栓が、また少し開いたんだな」と思ってください。
なので「金利のある世界」は、「モノの値段も動く世界」とセットでやってくる、と覚えておいてください。
金利が上がると、暮らしはどう変わる?
ここが一番大事なところです。金利が上がったとき、得する人と損する人が、まっぷたつに分かれます。あなたがどっち側かで、影響が正反対になるんです。

お金を借りている人は……ちょっと大変
住宅ローンや車のローンを組んでいる人は、レンタル料(金利)が上がると、毎月の返済がじわじわ増えることがあります。
とくに「変動金利」といって金利が変わるタイプの住宅ローンは、影響を受けやすいです。
住宅ローンだけでなく、車のローンやカードローンなど、”借りているお金”全般に同じことが言えます。
お金を預けている人は……ちょっと嬉しい
銀行預金や国債でお金を預けている人は、もらえる利息が増えます。
今まで「預けても増えない」が当たり前でしたが、これからは”預けるだけ”でも少し増える時代になってきました。
そして、モノの値段も上がりやすい
金利が上がる時期は、食費や電気代も上がりやすい時期。
ここも家計として意識しておきたいところです。
ちなみにわが家は、住宅ローンを組んでいません。なので金利が上がっても「返済が増えて大変」という痛い側にはならず、「預けたお金の利息が増える」うれしい側にいられます。これについては、最後にもう少しお話ししますね。
金利が上がると、株や投資はどうなる?
「じゃあ、NISAで積み立てている投資はどうなるの?」——気になりますよね。
株は、金利が上がると元気をなくしやすいと言われます。理由を身近なたとえで言うと、こんな感じです。
これまでは「銀行に預けても増えないなら、株を買ったほうがマシ」と、みんな株にお金を出していました。
でも金利が上がると「わざわざドキドキする株を買わなくても、預金や国債で増えるならそっちでいいや」という人が出てきます。
すると株にお金が集まりにくくなって、株価が下がりやすくなる、というわけです。
ただし!これはあくまで「そうなりやすい」という傾向の話。実際の株価は、金利以外のいろんな理由で動くので、明日上がるか下がるかは、プロでも当てられません。
それに、積み立てを続けている人にとっては、株価が下がる時期は「同じ金額でいつもよりたくさん買える時期」でもあるんです。
だからこそ、金利のニュースにドキドキして株を売ったり買ったりするのは、私はおすすめしません。コツコツ積み立てを続けて、あとは放っておく。
これがいちばんラクで、長い目で見ると強いんです。この「見ない力」については、こちらにも書きました。
【内部リンク:暴落が怖いので、証券口座は年1回しか見ないことにしています】
金利が上がると、預金や国債はどうなる?
こっちは、うれしい話です。
金利が上がると、これから預ける預金や、これから買う国債の利息が増えます。
今まで眠っているだけだった「守りのお金」が、少しだけ働いてくれるようになるんです。
どれくらい変わるのか、ざっくり計算してみましょう。
たとえば100万円を1年間預けたとき、金利が0.001%なら利息はたったの10円。
これが0.2%なら2,000円、0.5%なら5,000円になります(いずれも税金を引く前の金額です)。「なんだ、数千円か」と思うかもしれません。でも、”置き場所を変えるだけ”でもらえるお金としては、じゅうぶん意味のある差だと私は思います。
とくに「変動金利」という、金利の動きについていくタイプの国債(個人向け国債の変動10年など)は、これから金利が上がればもらえる利息も増えていきます。
国債そのもののくわしい話は、別の記事にまとめています。
【金利上昇で”買い時”の個人向け国債|株(NISA)との組み合わせ方】
「守りのお金」と「増やすお金」を分けて考える
ここまでをまとめると、こういう作戦が見えてきます。
| お金の種類 | 置き場所 | 育て方 |
|---|---|---|
| 増やすお金 | NISAで投資に | 時間をかけてコツコツ育てる |
| 守るお金 (当分使わないけど、減らしたくないお金) |
利息のつく預金や国債へ | 眠らせず、利息に働いてもらう |
金利のない時代は、現金はただ置いておくだけでした。
でも金利のある世界では、置き場所をちょっと工夫するだけで、守りのお金にも利息がつく。
これは、私たち預金中心で生きてきた世代にとって、地味だけど大きな変化なんです。
金利のある世界で、気をつけたい5つのこと
むずかしい話はここまで。最後に、今日から意識できることを5つ、シンプルにまとめます。
- ローンがある人は、返済がどうなるか一度チェック(とくに変動金利の住宅ローン)
- 預金を眠らせない。利息のつく場所に置きかえる
- 株は金利のニュースで一喜一憂しない。積み立ては淡々と続ける
- 現金だけに偏らない。モノの値段が上がると、現金の値打ちはこっそり目減りするから
- これから借りる予定があるなら、金利の動きに注目
4つめの「現金の目減り」だけ、少し補足しますね。
たとえばモノの値段が1年で2%上がると、今日100万円で買えたものが、1年後には約102万円出さないと買えなくなります。
財布の中の金額は1円も減っていないのに、買える量が減っている
——これが”こっそり目減り”の正体です。
だからこそ、守りのお金には利息を、増やすお金には投資を、それぞれ働いてもらう必要があるんですね。
わが家の場合|借金は、できるだけしたくない
最後に、私自身のお金との付き合い方を正直にお話しします。
わが家は、借金をしません。
理由はシンプルで、わが家の家計に、借金というものをできるだけ持ちたくないからです。
もちろん、これだけが正解だとは思っていません。世の中には、「住宅ローンや奨学金は金利が低いんだから、あえて借りて、そのお金を投資に回したほうが得」と考える人もいます。
借りる金利より、投資で増える分のほうが大きければ、たしかにそのほうがお得です。
(むずかしい言葉で「レバレッジをかける」と言います)。
数字に強くて、値動きにも動じない人なら、その選び方もアリだと思います。
でも、私はちがいます。
私は、家計管理は足し算と引き算でわかるほうが好きなんです。
「入ってきたお金」から「使ったお金」を引いて、残ったのがいくら。
これくらいシンプルなのが、私の性格には合っています。
そこに借金が入ると、金利の計算やら返済の管理やらで、頭がこんがらがってしまう。
だから、持たない。
そのかわり、お金を増やすほうは、掛け算で増えるのが好き。
投資は、時間をかけると”雪だるま式”に増えていく力(複利といいます)があります。
守りのお金はシンプルに、増やすお金は雪だるまで。
この2つをきっぱり分ける。これが、心配性な私がたどり着いた、いちばん心が落ち着くお金の付き合い方です。
金利のある世界は、私たちには初めての経験。
でも、怖がらなくて大丈夫。金利は「敵」でも「味方」でもなくて、あなたが借りる側か、預ける側か、その立場でやさしくもきびしくもなるだけ。
自分がどっち側にいるかがわかれば、ニュースの金利の話も、ちゃんと”わが家の話”として聞こえてくるようになりますよ。
よくある質問
Q1. 変動金利の住宅ローンがあります。すぐ固定金利に借りかえるべき?
あわてて動く前に、まず「金利が上がったら、毎月の返済がいくら増えるのか」を確認するのが先です。
多くの変動金利ローンには、返済額の見直しは5年ごと・増えても直前の1.25倍まで、というルール(5年ルール・125%ルール)があり、明日いきなり返済額が跳ね上がるわけではありません(このルールがないタイプもあるので、ご自身の契約は確認してくださいね)。
そのうえで「家計に余裕がない」と感じたら、借りかえや繰り上げ返済を検討する、という順番で大丈夫です。
Q2. 金利が上がるなら、NISAの積み立てはやめたほうがいい?
やめなくて大丈夫、というのが私の考えです。
金利上昇で株価が下がりやすくなるのは事実ですが、短期の動きはプロでも読めません。
積み立ては「安いときにも自動で買ってくれる」仕組みなので、下がった時期にやめてしまうほうがもったいないんです。
Q3. 「守りのお金」は、具体的にどこに置けばいい?
当分使わないお金なら、普通預金に眠らせず、金利のつく定期預金や個人向け国債(変動10年)が候補です。ネット銀行は店舗のある銀行より金利が高めの傾向があります。
逆に、近々使う予定のあるお金は、出し入れしやすい普通預金のままでOKです。
まとめ
- 金利=お金のレンタル料。上がると、借りる人は大変、預ける人は嬉しい
- 株は金利が上がると元気をなくしやすい。でも短期は読めないから、積み立ては淡々と
- 預金や国債の利息は増える。「守りのお金」の置き場所を見直すいいタイミング
- 気をつけるのは5つ。ローンの点検/預金を眠らせない/株で一喜一憂しない/現金に偏らない/借りる前に金利を見る
金利のニュースを、”わが家の話”に翻訳する。それができれば、もう金利は怖くありません。
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