金利上昇で“買い時”の個人向け国債|株(NISA)との組み合わせ方

資産運用

「金利が上がってきたから、国債が良いらしいよ」

最近こんな話を耳にして、「……そもそも国債ってなに?」「老後のお金にどう使えばいいの?」と思った方、きっと多いですよね。私も最初はチンプンカンプンでした。

そこでこの記事では、

  1. 国債ってそもそも何なのか(基本のキ)
  2. なぜ金利が上がると注目されるのか
  3. 株(NISA)と組み合わせて、老後のお金をどう育てるのか

この3つを、むずかしい言葉を一切使わずに、順番に説明していきます。デメリットや注意点も正直にお伝えするので、読み終わるころには「国債、ちょっとわかったかも」と思えるはずです☕

そもそも「国債」ってなに?

国債を一言でいうと、「国がお金を借りるときの借用書(しゃくようしょ)」です。

国も、道路を作ったり学校を建てたりするのに、たくさんのお金が必要です。でも手元のお金が足りないとき、国民や会社からお金を借りるんですね。

そのとき「お金を貸してくれた印」として渡すのが、国債。つまり国債を買うというのは、あなたが国にお金を貸してあげるということなんです。

そしてお金を貸したお礼に、利子(りし)がもらえます。さらに、約束の期限が来たら、貸したお金は全額返してもらえます

友だちに1,000円貸して、後日「ありがとう!」と1,050円にして返してもらう。

あの「ちょっと多めに返してもらう」感覚と、まったく同じ。貸す相手が「友だち」から「国」になっただけなんです。

銀行に預けるのと、何が違うの?

「それって、銀行に預けるのと似てない?」と思った人、するどいです。

預金も、じつは「銀行にお金を貸している」ようなもの。だから利子がつきます。違いはシンプルで――

お金を貸す相手
預金 銀行
国債 国(日本政府)

ここで大事なのが、国債は相手が「国」だということ。会社はつぶれることがありますが、国がつぶれることはめったにありません。だから国債は、世の中でもとても安全な貸し先とされているんです。

「絶対に損したくない、でも預金よりは少し増やしたい」――そんな人にぴったりの選択肢、というわけですね。

なぜ「金利が上がると国債がおトク」なの?

ここがこの記事の最初のヤマです。まず「金利」が何かをハッキリさせましょう。

金利=お金を貸したときに、もらえるお礼の割合(%)

たとえば「金利1%」なら、100万円貸すと1年で1万円のお礼(利子)がもらえる、という意味です。

では、金利が低いときと高いときで、もらえるお礼がどう変わるか。100万円を1年間貸した場合で比べてみます。

金利 もらえる利子(1年・100万円
0.05%(数年前) 約500円
1.74%(2026年6月) 約1万7,400円

……同じ「100万円貸す」でも、もらえるお礼が30倍以上に増えていますよね。

これが「金利が上がると国債がおトク」と言われる正体です。同じお金を貸しても、お礼(利子)がドンと増えるから、急に魅力的になったんです。

逆に、数年前のように金利が0.05%しかなかった時代は、貸してもほとんどお礼がもらえませんでした。だから「国債なんて意味ない」と言われていたんです。それが今、ガラッと風向きが変わったわけですね。

じゃあ、なんで金利が上がったの?

ものすごくざっくり言うと、世の中のモノの値段が上がってきた(インフレ)ことと、日本の中央銀行(日銀)が金利を上げる方向に動いたことが理由です。

ここは難しいので、「最近、世の中全体の金利がぐーんと上がってきた」とだけ覚えておけばOK。実際、2024年ごろまで1%ほどだった長めの金利が、2026年には2%を超えるところまで上がってきました。

「金利が上がると国債の値段は下がる」って聞いたけど…?

少し勉強した方は、こんな話を聞いて不安になったかもしれません。実は金利と国債の値段(価格)は、シーソーの関係。金利が上がると、すでに発行ずみの国債の価格は下がるんです。

でも――これから紹介する「個人向け国債」を持つ私たちは、ここを気にしなくて大丈夫。なぜなら個人向け国債は、満期まで持っても、途中でやめても、貸したお金(元本)が額面どおり戻ってくるしくみだから。価格が上がった下がったでハラハラする必要がないんです。ここは後で詳しくお話しますね。

私たちでも買える「個人向け国債」

「でも国債なんて、お金持ちが大金で買うものでしょ?」――いいえ、ちゃんと一般の人向けの国債があります。それが「個人向け国債」です。

特徴は、とっても親切設計なんです。

  • たった1万円から買える(大金はいりません)
  • 満期まで持てば、貸したお金は全額返ってくる(=元本割れしない)
  • どんなに金利が下がっても、最低でも年0.05%は保証
  • 種類は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3つ

「減らないお金の置き場所」として、預金よりちょっと有利。そんなポジションの商品です。

「変動」と「固定」って、どう違うの?

3つの種類のうち、迷いやすいのが「変動」と「固定」の違い。これも簡単です。

固定(固定5年・固定3年)
最初に「お礼は年◯%ね」と決めたら、満期までずっとその割合。約束どおり、変わりません。

変動(変動10年)
世の中の金利に合わせて、半年ごとにお礼の割合が変わる。金利が上がれば一緒に上がるし、下がれば下がります。

選ぶときの目安は、こんな感じ👇

  • これからも金利が上がりそうと思う → 変動10年(上がる波に乗れる)
  • 今の高い金利を、しっかり確保したい → 固定5年(約束した割合で安心)

ちなみに2026年6月の募集だと、
・変動10年が約1.74%
・固定5年が約1.86%
・固定3年が約1.51%

最近は金利が上がってきた影響で、固定のほうが高くなる「逆転」も起きています。
どちらが得かは未来の金利しだいなので、「自分はどう思うか」で選んでOKくらいの気軽さで大丈夫ですよ。

※金利は毎月の募集ごとに変わります。買うときは財務省の公式ページで最新の利率を確認してくださいね。

個人向け国債のデメリット・注意点も正直に

ここまでいい話ばかりでしたが、フェアにいきましょう。
「個人向け国債はやめとけ」なんて声も、ネットにはあります。
何が引っかかるのか、3つの注意点を正直にお伝えします。読んでも「なんだ、その程度か」と思える内容ですよ。

① 買ってすぐは、引き出せない(中途換金のルール)

個人向け国債は、買ってから1年間は、現金に戻せません。1年たてば1万円単位で換金できますが、その際に「中途換金調整額」として、直前2回分の利子(税引前)×0.79685が差し引かれます。

……むずかしく聞こえますね。ざっくり言うと「直近1年分くらいのお礼を、ちょっと返してね」というイメージです。ここで大事なのは――

👉 引かれるのは「もらった利子の一部」だけ貸した元本そのものは減りません
だから「途中でやめたら元本割れ…」という心配は不要です。

つまり個人向け国債は、すぐ使う予定のないお金を置くのに向いている、というわけですね。

② インフレ(物価高)には、力負けすることもある

金利が上がったとはいえ、モノの値段がそれ以上の勢いで上がると、お金の「実際の価値」は静かに目減りします。
国債は「大きく増やす」商品ではないので、ここは正直な弱点。
だからこそ、あとで紹介する「株との組み合わせ」が効いてくるんです。

③ NISA(ニーサ)の対象には入っていない

これは意外と知られていません。個人向け国債は、NISAの対象外
もらえる利子には約20%の税金がかかります。
「えっ、それは残念…」と思うかもしれませんが、実はこの事実、次の章の”役割分担”とピタッと噛み合うんです。続けて読んでみてください。

国債はNISAの対象外|だから「株はNISA・国債は守り」で役割分担

さっきの「国債はNISA対象外」という話。
じつはこれ、がっかりポイントどころか、お金の置き方のヒントなんです。

NISAは「投資のもうけに税金がかからない」とってもおトクな制度。
だったら、その貴重なNISAの枠は――

大きく増える可能性のある「株(投資信託)」にこそ使う
もともと税のおトクがない「国債」は、課税の口座で“守り”として持つ

こう分けると、おトクなNISA枠をムダなく使い切れます。「国債がNISA対象外」なのは、役割を分けるうえでむしろ好都合

次から、その「攻めと守り」の組み合わせ方を見ていきましょう。

「株だけ」でも「預金だけ」でも不安なワケ

老後のお金を準備するとき、よくある2つのやり方には、それぞれ弱点があります。

株(投資信託)だけの場合
増やす力は一番ありますが、値動きが大きいのが弱点。ときには資産が3〜4割も減ることがあります。
若いうちは「回復を待てばいい」で済みますが、老後が近いほど”待てる時間”が短いのが悩ましいところ。

預金だけの場合
減らない安心感はありますが、今はモノの値段が上がる時代。
お金の額は減らなくても、買えるモノの量は静かに目減りしていきます。

攻めすぎると怖い、守りすぎると目減りする。

この板挟みを解決してくれるのが、「株」と「国債」の組み合わせなんです。

株は“攻め”、国債は“守り”|役割分担で考える

イメージは、サッカーチームと同じ。
点を取るフォワード(攻め)と、ゴールを守るディフェンダー(守り)、両方いて初めて試合になりますよね。

役割 担当 期待すること
攻め(増やす) 株式・投資信託(NISA) 長期で資産を大きく育てる
守り(減らさない) 個人向け国債 暴落しても動じない土台

ポイントは、この2つは値動きのクセが違うこと。株が荒れているときでも、国債部分は「びくともしない土台」として効いてくれます。だから資産全体の揺れがやわらいで、気持ち的に持ちこたえやすくなるんです。

老後のお金は、もうけの数字以上に「夜ぐっすり眠れるか」が大事。守りの資産があると、株が下がっても「まあ、あっちは増やす用だから」と落ち着いていられますよ。

株と国債、どう分ければいい?

では肝心の「割合」。これは正解が一つではなく、年齢とともに守りを厚くしていくのが基本の考え方です。

昔からよく使われる目安に「100 − 年齢 = 株式の割合(%)」というものがあります。
たとえば50歳なら、100−50で株が50%、残り50%を国債などの守り、という感じ。

年齢 株(攻め)の目安 国債など(守り)の目安
40代 60%くらい 40%くらい
50代 50%くらい 50%くらい
60代以降 40%くらい 60%くらい

これはあくまでざっくりした目安。「どれくらいリスクを取れるか」は人それぞれなので、ここから自分が夜ぐっすり眠れる割合に微調整していくのがいちばんです。

コツは、ゴール(老後)が近づくほど、攻めを少しずつ守りに移していくこと。
サッカーでいえば、リードしている試合の終盤に守りを固めるイメージですね。

⚠️ ここでお伝えした割合は、あくまで一般的な考え方の一例です。最終的な判断はご自身の状況に合わせて決めてくださいね(私はFPの資格は持っていますが、特定の商品をおすすめする立場ではありません)。

実際の組み立て方:株はNISAで、守りは国債で

具体的には、こんな順番で考えると分かりやすいです。

  1. 増やす部分は、NISAで株(投資信託)。利益に税金がかからないメリットをフル活用
  2. 守る部分は、個人向け国債。暴落しても動じない土台にする
  3. 数年以内に使う予定のお金(教育費・リフォーム費など)も、国債や預金で守っておく

特に③は見落としがち。近いうちに使うお金まで株に入れてしまうと、いざ使うときに暴落していたら泣くに泣けません。使う時期が近いお金ほど、守りに置く。これが鉄則です。

国債は「すぐには使わないけど、株に回すのは怖いお金」の、ちょうどいい置き場所になってくれますよ。

始め方:証券会社で、株も国債もまとめて

個人向け国債は、証券会社や銀行のネット・窓口から買えます。毎月募集があるので、買いたい月に申し込むだけ。

ネットで完結させたいなら、SBI証券が便利です。

  • NISAの株(投資信託)と同じ口座で、国債もまとめて管理できる
  • 募集時期に買付キャンペーンが行われることもある
  • スマホひとつで、申し込みから保有状況の確認まで完結

「攻めの株」と「守りの国債」を一つの口座にまとめておくと、資産全体のバランスが一目でわかって管理がラクになります。
口座開設は無料なので、まだの方はこの機会に準備しておくとスムーズですよ。

まとめ:金利が上がった今だからこそ、攻めと守りの二刀流で

長くなったので、ぎゅっとまとめますね。

  • 国債=国にお金を貸して、お礼(利子)をもらう借用書。相手が国だからとても安全
  • 金利が上がると、もらえるお礼が増えておトクになる(今がまさにその時期)
  • 個人向け国債なら1万円から、元本割れの心配なく始められる(途中でやめても元本は減りません)
  • デメリットは「1年は引き出せない」「NISA対象外」くらい。どちらも”守り”なら気にならない
  • 老後のお金は、株(NISA)で増やし、国債で守るの二刀流が安心
  • 割合は年齢とともに守りを厚く。自分が眠れるバランスに調整

老後のお金づくりは、マラソンの後半に差しかかったランナーのようなもの。
増やすスピードより、転ばないことが大事になってきます。
「国債ってなに?」から一歩進んで、攻めと守りを上手に組み合わせながら、自由な老後への一歩を、あせらず進めていきましょう☕

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を推奨するものではありません。投資は元本割れのリスクを伴います(個人向け国債も中途換金時には受取利子が調整されます)。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。金利・制度の最新情報は財務省などの公式サイトでご確認ください。

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