子どもの手がかからなくなってきた、と思ったら今度はお金がかかってくる——。
教育費のピークをなんとか乗り越えて、ほっと一息ついたところで頭をよぎるのが「老後のお金、どうしよう」という問題。
「2,000万円問題でしょ。足りないんでしょ。どうにかしなきゃ」——そ
うわかってはいても、仕事も子育ても手を抜けない40代は、いつの間にか先送りにしてしまいがちですよね。私もそのひとりでした。
でも実は、40代は老後資金を準備するうえで「絶好のタイミング」なんです。
教育費が落ち着いて、資産を老後に回せるお金が生まれるから。
この記事では、5つのステップで「わが家の老後資金の不足額」を計算する方法と、共働きワーキングママならではの年金の考え方をリアルな数字でお伝えします。
完璧なプランでなくていい。まず「自分の不足額」を知ることから始めましょう。
📋 この記事でわかること
- 老後2,000万円問題の正しい読み方
- ねんきんネットで年金を確認する方法(共働きママ向け)
- わが家の老後生活費・特別支出のリアルな試算
- 40代から始めるNISA・iDeCoの使い方
老後資金「いくらいる?」——2,000万円問題の正しい読み方
2019年に金融庁の報告書が話題になった「老後2,000万円問題」。
ニュースで大きく取り上げられ、当時は不安になった方も多かったと思います。
でも実は、あの数字には大切な前提があります。
2,000万円はあくまでモデルケースの試算(当時の総務省家計調査をもとに、夫65歳・妻60歳の無職夫婦世帯を想定したもの)。すべての家庭に当てはまるわけではありません。
一般的によく使われる老後資金の目安はこのくらいです。
| ゆとり度 | 必要額の目安 |
|---|---|
| 最低ライン | 2,000万円前後 |
| 標準的な備え | 2,500万円前後 |
| ゆとりを重視 | 3,000万〜3,500万円程度 |
大事なのは、平均ではなく「あなたの家庭の不足額」を計算すること。
その考え方の基本はシンプルです。
毎月の不足額 × 老後の年数 = 必要な老後資金
では実際に、5つのステップで「わが家の数字」を出してみましょう。
【STEP1】年金でいくらもらえる?ねんきんネットで今すぐ確認
老後の収入の柱になるのが公的年金です。
「どうせ少ないんでしょ」と思わずに、まずは自分の見込み額を確認してみてください。
知ってしまうと、意外と冷静になれます。
確認する方法は2つ
- ねんきんネット(日本年金機構)……マイナンバーカードと連携するだけで、将来の年金見込み額がオンラインで確認できます。スマホでも操作可能です。
- ねんきん定期便……毎年誕生月に郵送されてくるハガキ。手元にあれば今すぐ確認できます。
🔑 共働きワーキングママが知っておくべきこと
共働き世帯の場合、夫も妻もそれぞれ厚生年金に加入しているケースが多いため、専業主婦世帯より年金収入が手厚くなります。夫婦合算の見込み額で考えることが大切です。わが家の試算では、夫婦2人合わせておよそ月23〜25万円の見込みです(現時点の試算。今後の働き方により変動します)。
「片側リスク」を見落とさないで
ここで必ず把握しておきたいのが、どちらか一方が先に亡くなった場合の年金額です。
たとえば夫が先に亡くなった場合、妻は「遺族厚生年金」を受け取れますが、世帯としての年金収入は大きく減ります。
それでも生活費がそこまで減るわけではない——この「片側リスク」は意外と盲点になりやすい部分です。
| 状況 | 年金収入の変化(イメージ) |
|---|---|
| 夫婦2人健在 | 月23〜25万円(わが家試算) |
| 夫が先に亡くなった場合 | 妻の厚生年金+遺族厚生年金(夫の厚生年金の3/4相当)→ 月14〜17万円程度に減少するケースも |
| 妻が先に亡くなった場合 | 夫の厚生年金のみ → 生活費との差が開く場合がある |
ねんきんネットでは「ライフプランシミュレーション」機能もあります。
ぜひパートナーと一緒に確認してみてください。
【STEP2】老後の生活費を見積もる(わが家の実例あり)

次に、老後の支出を見積もります。総務省の家計調査によれば、65歳以上の夫婦2人世帯の消費支出は月平均25万円前後とされています(※最新データは総務省家計調査をご確認ください)。
ただし、これも平均値。持ち家か賃貸か、健康状態、ライフスタイルによって大きく変わります。「自分たちの老後」を具体的にイメージすることが大事です。
わが家の老後の想定生活費(夫婦2人・月額)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 食費 | 6万円 |
| 日用品 | 1万円 |
| 水道光熱費 | 2万円 |
| 住宅費(管理費・修繕積立等) | 5万円 |
| 税金・社会保険料 | 1.5万円 |
| 医療費 | 1万円 |
| 通信費 | 1万円 |
| お小遣い(夫婦それぞれ5万円) | 10万円 |
| 合計 | 約28〜30万円 |
お小遣いを多めに設定しているのは、子育てが一段落したら自分たちのための時間とお金を大切にしたいという考えから。
旅行・趣味・外食も含めてのイメージです。
せっかく頑張ってきたのだから、老後くらい楽しみたいですよね。
【STEP3】特別支出を忘れずに——意外と大きな「まとまった出費」
毎月の生活費だけでなく、老後にはある程度まとまった支出も発生します。これを「特別支出」として別枠で考えておくことが大切です。
わが家の特別支出の想定
| 項目 | 想定金額 |
|---|---|
| 冠婚葬祭費(親・兄弟・知人など) | 約300万円 |
| 家電の買い替え(5〜10年ごと) | 約200万円 |
| リフォーム費(水回り・間取り変更など) | 約500万円 |
| 家具・インテリア等 | 約100〜200万円 |
| 生活防衛資金 | 約500万円 |
| 合計 | 約1,600〜1,700万円 |
介護費用については、高額療養費制度や介護保険でカバーできる部分もありますが、自己負担分として100〜200万円程度を別途確保しておくと安心です。
意外と見落としがちな老後の出費
① 歯・目・補聴器などの医療費
保険診療でカバーされる部分はありますが、インプラントや白内障手術の選定療養費、補聴器などは自費負担が大きくなりがち。数十万〜100万円規模になることもあります。
② お墓・葬儀の費用
自分たち自身のお墓や葬儀費用も老後に向けて考えておきたい項目です。一般的なお墓の購入・維持費は数十万〜数百万円、葬儀費用も100〜200万円程度が目安。近年は樹木葬や手元供養など選択肢も広がっています。早めに夫婦で話し合っておくと安心です。
③ ペットにかかる費用
子どもが巣立った後にペットを迎える方は少なくありません。年齢を重ねるにつれて医療費がかさむことも。トータルで数十〜100万円以上かかるケースも珍しくありません。
④ 住まいの問題(賃貸の方は特に要注意)
持ち家の方は定年前後にローンが完済しているかを確認しておきましょう。賃貸の方は「高齢者は借りにくくなる」という現実もあるため、住まいの選択は早めに考えておくと安心です。
【STEP4】不足額を計算する——40代ワーキングママの場合
ここまで整理できたら、いよいよ計算です。
老後の必要資金 = 毎月の不足額 × 老後の年数 + 特別支出
わが家のざっくり試算(夫婦2人・共働き)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 想定生活費(月) | 28〜30万円 |
| 年金見込み額(夫婦合算・月) | 25万円 |
| 毎月の不足額 | 約3〜5万円 |
| 老後の年数(65〜90歳・25年) | 25年 |
| 不足額の合計 | 900万〜1,500万円 |
| 特別支出 | 約1,600〜1,700万円 |
| 合計(必要な老後資金) | 約2,500万〜3,200万円 |
💡 共働きワーキングママが有利な理由
共働き世帯は夫婦それぞれが厚生年金を受け取れるため、専業主婦世帯よりも年金収入が多くなる傾向があります。その分、毎月の不足額は少なく、準備すべき老後資金も少なくなる可能性があります。「老後は共働きのメリットが出てくる」——これは意外と知られていない事実です。
「思ったより多い……」と感じた方もいるかもしれません。でも大丈夫。
ここから退職金や現在の貯蓄・投資資産を差し引いた「本当の不足額」を出していきます。
【STEP5】どう備えるか——NISA・iDeCo・少し働くの組み合わせ
老後資金の準備は「全額貯める」というより、「年金+運用+少し働く」の組み合わせで考えると現実的です。
① 定年後も少し働く
65〜70歳まで夫婦2人で月5〜10万円でも収入があれば、老後資金の不安はかなり小さくなります。「老後のためにも、今の仕事を丁寧に続ける」——これ自体が立派な老後対策です。
② 貯蓄(定期預金・高金利普通預金など)
すぐに使えるお金として手元に残しておく安全資産。老後資金のうち、5年以内に使う予定のあるものはここに置いておきましょう。
③ NISA(非課税投資)
2024年からリニューアルされた新NISAは、非課税で長期・積立・分散投資ができる制度です。老後まで20年以上あるなら、毎月少額でも積み立てておくことで時間を味方にできます。
④ iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛け金が全額所得控除になるため節税効果が大きい制度です。60歳まで引き出せない縛りはありますが、老後資金の専用口座として割り切って使うのが効果的。働き方(会社員・パート・自営など)によって上限額が異なるので、まず自分の区分を確認してみましょう。
| 手段 | 特徴 | 向いている資金 |
|---|---|---|
| 貯蓄(預金) | 安全・流動性高 | 5年以内に使う予定のお金 |
| NISA | 非課税・いつでも引き出せる | 10〜20年かけて育てるお金 |
| iDeCo | 節税効果大・60歳まで引き出し不可 | 老後専用の長期積立資金 |
まとめ:まず「自分の数字」を知ることが最初の一歩
老後資金の目標額は、「あなたの家庭の不足額」を計算して初めて意味を持ちます。
2,000万円という数字に怖じ気づく必要はありません。
📝 わが家の老後資金準備・4つの方針
- 不足分はNISA・iDeCoで運用しながら補う——複利の力を信じて長期運用
- 退職金の使い道を今から夫婦で決めておく——入ってから考えると使いすぎる
- 教育費が一段落したら老後資金に全振りする——今がそのタイミング
- 健康資産にも投資する——長く働ける体とスキルが最大の老後対策
モヤモヤしたままにしておくより、知ってしまったほうがずっとラクになります。
まずはねんきんネット(日本年金機構)で年金の見込み額を確認することから始めてみてください。
この記事をきっかけに、パートナーと一緒に老後のお金について話し合う時間を作ってみてください☕
よくある質問
Q. 老後資金の準備はいつから始めればいいですか?
早いに越したことはありませんが、「今からでは遅い」ということはありません。老後まで20年以上あれば、月1万円の積立でも複利効果でじわじわ育ちます。教育費が一段落した40代は、老後準備を本格化させる絶好のタイミングです。
Q. 夫婦のどちらかが時短勤務・パートの場合、年金はどうなりますか?
勤務先の規模や収入によって厚生年金に加入できる場合があります。加入できない場合は国民年金のみとなり、老齢基礎年金のみの受け取りになります。ねんきんネットでご自身の加入履歴と見込み額を確認しておくと安心です。
Q. 貯蓄ゼロでも間に合いますか?
今からでも行動次第で差はつけられます。まずは家計を見直して毎月の余裕を作ること、次に少額でも積立投資を始めること。「全部そろえてから」ではなく、「できることから一つずつ」が老後資金準備の鉄則です。
※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の投資・資産運用のアドバイスではありません。具体的な判断はご自身の状況に合わせて、必要に応じてFP(ファイナンシャルプランナー)等の専門家にご相談ください。数値・制度は執筆時点の情報に基づいており、今後変更される場合があります。


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